葉酸と白血病、その治療後の予後
白血病の予防や治療過程に効果があると言われる葉酸ですが、ここでは白血病の治療後、つまり予後について見てみましょう。白血病の場合、治療により症状が改善しても、あくまで血液の癌。腫瘍が消失したことを確認できるわけではないため、治癒とは呼ばず「寛解」と表現します。造血細胞が正常に分化し、白血病の症状が見られない状態を完全寛解と呼びます。完全寛解を5年以上維持した場合、再発の可能性がほぼなくなったものと考え、治癒と見なします。治癒を得るためには、顕微鏡だけを覗いて血液学的な完全寛解であると診断づける事は不十分であり、寛解後療法、つまり地固め療法と呼ばれる化学療法を継続し、異常遺伝子が見つからない分子的完全寛解まで到達することが必要です。しかしながら、治癒しても完全に白血病細胞がゼロになったとは断定し切れないため、長期的に見た場合、10年程度の期間では再発や二次性白血病を患う、つまり再燃のおそれが残存します。再燃の場合、骨髄移植は親族以外では事実上できません。再燃した白血病細胞は非常に抵抗性が強く、化学療法、放射線ともに効果が小さいため命を落とす確率が高くなります。したがって数ヶ月に1度は異常白血球細胞数の検査を一生涯に行い、再燃に備えるべきなのです。1980年代以降、化学療法、および造血幹細胞移植が発達し、治療成績は向上しつつあります。しかし、依然として重篤な疾患であることに変わりはなく、特に高齢の患者は治療が困難な場合も多いのです。白血病の中でも最も緊急性の高いものであった急性前骨髄球性白血病には、ビタミンAの製剤であるオールトランスレチノイン酸が著効することが発見されて以来、白血病の中では治療成績が最も良好な疾患となりました。2004年10月には、猛毒として知られる三酸化ヒ素製剤が再発または難治性の急性前骨髄球性白血病の適応として厚生労働省から承認されました。催奇性のため大規模な薬害をおこしたサリドマイドも、白血病の治療薬として現在は有望視されています。さて、私たちの体で重要な働きをする葉酸には白血病の予防や治癒促進効果があると言われています。白血病の予防のみならず、治療後の予後改善のためにもその摂取を強くおすすめいたします。
